今回は「情報発信におけるキャラ設定」について解説していきたいと思います。
僕が主催するFRONTLINE WORKSというビジネス・コミュニティでは、インターネットで情報発信をしている人が非常に多いです。
そこでよく「キャラ設定をどうしたらいいでしょうか?」という質問をいただきます。
いきなり結論から言ってしまうと・・・
「そもそも自分にないものを出すことはできない」
これに尽きます。
当たり前の話ですが、僕らは役者ではないですし演技を勉強をしたこともないので、もともと自分に備わっていないキャラクターの話し方だったり、雰囲気を出すことはできません。
もし、仮に演じることができたとしても、それを実行に移したところで、めちゃくちゃ嘘臭くなるので、絶対にやめたほうがいいです。
そのため「キャラ設定をどうしたらいいでしょうか?」と聞かれたときに僕は「普通でいいじゃん」とお伝えすることが多くなります。
ただ、この答えではつまらないので・・・
もう少しだけ掘り下げてお伝えしていきたいと思います。
情報発信する際のキャラ設定において「外見を意識する」ことは、非常に重要な役割を担います。
「人は見た目が9割」という言葉があるくらい、実は外見によって、どういった層の人たちが自分のお客さんになるかが、結構決まってくるんです。
僕自身も情報発信を始めて10年近くになりますが、外見はコロコロ変わっています。
会社員を辞めたとき、僕は髪の毛を金色に近い茶髪にしていました。
今となっては恥ずかしい話なんですが・・・
会社を辞めた反動というか、会社員時代にできなかったことをやりたくなるというか、とにかく急に髪の色を変えたくなって、さらにはごわーっとしたパーマをかけたりして。
もっと言うと、金色のピアスまでしてました。
ライオンみたいな髪型で、耳には金色のピアス。
ただ、僕としても意図していた部分もありまして・・・
「会社に縛られない自由の象徴」
というイメージで活動することでメリットがあると考えていわけです。
だから、服装もアロハシャツに白い短パン、サンダルみたいな究極にゆるい感じでした。
そして、その後に『クビでも年収1億円』という本の出版が決まったんです。
このときは、本の内容的にも多くの会社員の方々に読んでもらいたいという想いがありました。
でも、その『クビでも年収1億円』の著者が、茶髪でピアスしているって・・・
「そりゃお前クビになるわっ!」
そんな感じで、外見的にツッコまれることが容易に想像できました。
そこですぐに、それまでのチャラチャラしたパーマの長髪を切り、髪の色も黒く染め直して、会社員の方々が普段着ているようなスーツ姿にネクタイというスタイルに変更したわけです。
そうしたらですね、選挙に立候補した人のポスターみたいなビジュアルになったんです。
そこからは、しばらく書籍を出し続けていたこともあり、作家っぽく、というか、知的なインテリなイメージになりたくて、髪型もストレートの黒髪をシャっと7・3わけにした感じで、服装もシャツにジャケットというスタイルでメディア露出していました。
僕は、出版する前までは、インターネットのなかのアングラ世界でひっそりと活動していたので、急に作家デビューという華やかな表舞台に出て、スポットライトがあったたら、やっぱりカッコつけたいって気持ちになっちゃったんですよ。
2チャンネルとかで「小玉 詐欺」とか書かれていましたし、そんなこともあってか、必要以上にちゃんとした人に見られたいみたいなところがあったように思います。
その後、僕はいったん出版はお休みしようということで、それまでの企画の依頼をお断りさせていただき、それにつられて、ちょっと髪の色も茶色くして、服装もゆるくなっていっていきました。
しかーし、僕の息子が幼稚園に入るということで、お受験がありまして・・・
そう、そこでは「親子面接」があるわけですよ。
さすがに、そこで茶髪はまずいよって話になって、また完全に黒髪に戻ったり。
そこからは、その時代にあわせて、
「カチッとしたほうが受け入れられるのかな~」
「ラフなほうがウケるのかな~」
なんて具合に、そのときどきの景気や社会情勢、世の中の空気感みたいなものにあわせて試行錯誤してきましたね。
今はもうなんか結構適当な感じでございますが・・・
でも、こうして振り返ってみると
自分が茶髪でラフな雰囲気だったり、「会社に縛られない自由の象徴」みたいなイメージのときには、「お金稼ぎたいぞー」って勢いのある人がお客さんになりました。
反対に、スーツでカチッとしたイメージのときには、同世代の会社員で、しかもわりと名のある一流企業にお勤めさせているお客さんが多かったんですね。
だからこそ、やっぱり見た目って大事で、その雰囲気に近しい人が好感を持つ傾向があるわけです。
このあたりについては、僕が運営する「ビジネス読書チャンネル」のほうで詳しくわかりやすく解説しているので、気になる人はぜひご覧ください。
見た目に、これだけの影響力があるってことはですよ、当然ながら発信内容についても同じようなことがいえるわけですよ。
たとえば、自分のプロフィールだったり、普段から発信している内容だったり、そういった情報に近い雰囲気の人がお客さんになります。
僕は子供が3人いるんですね。
今って少子化が進んでいて、合計特殊出生率が1.36%しかなくて、この数字が2より低いというのは人口がどんどん減っていくことを意味しているんですね。
だから僕が子供3人いるって平均よりも多いわけです。
それもあってか、僕のお客さんは家庭的というか家庭感が出ている人が多いんですよね。
たとえば、僕が主催するFRONTLINE WORKSというビジネス・コミュニティのなかで、ZOOM配信をすると、よくお客さんの画面に子供が出てきたりしますし、僕の息子なんかも寄ってきて映ったりするんですよ。
ちょっと話がそれましたので、ここまでの話を一度まとめます。
「情報発信におけるキャラ設定」で意識すべきなのは「自分の中のどの部分を出していこうか」ということです。
人間は誰しも多面性があって、
「積極的な一面もあるけど、極端に慎重になる部分もある」
「性格的に熱くなる部分もが、一方では冷静に判断できることもある」
こんな感じで、人には色々な一面あるわけですよ。
その中で「どこを押し出していこうか」というのを決めると、他人から見たときのイメージや特徴が定まってきて、結果、その人っぽさ、人間味みたいなものが出るんですね。
もし僕が、いっさい家族の話をしなければ、結婚していても独身感が出るわけです。
たとえば、僕の『クビでも年収1億円』という本をプロデュースしてくれたのが、フォレスト出版で編集長もしていた伝説の編集者である長倉顕太さん。
長倉さんは、結婚していて子供もいるはずなんですけれども、一切そんな話はしない。
しても、1年に1回するかしないかみたいな。
さらには親の話もしないから、こちら側の受け手のイメージとしては「天涯孤独」のように感じるわけです。
まぁ僕の勝手なイメージと言われればそれまでですが、実際に僕はそう感じ取っているわけで、会ってみたらわかりますが、そういうオーラを放ってるんですね。
つまり、結婚していっても家庭的な感じを消すことはできるわけです。
これ間違っていたら申し訳ないんですけど、おそらく長倉さんのところに集まっている方々は、家庭的な人は少ないんじゃないかなと思うんですね。
どちらかといえば「孤高な人」が多そうだな~と。
では、ここで「情報発信におけるキャラ設定」で迷っている人にオススメの実践方法を紹介していきます。
「自分にはどんなバックグラウンドがあるのか」
「そのバックグラウンドが影響してどんな考えを持つようになったのか」
「その思考プロセスのなかでどんな主張をしたいのか」
それらを一度、時間をとって棚卸ししてみてほしいんですね。
そのうえで、作り込むというよりは、これは自分の中でしっくりくるから、そこを特に出していこうみたいな流れで考えていったらいいと思います。
ビジネス系インフルエンサーの人なんかも、独自の世界観というかその人特有の雰囲気ってあるじゃないですか?
「イケハヤさん」なら高知で田舎暮らしをエンジョイしていたり・・・
「マナブさん」であれば、タイでゆるっと日々を送りながら、独自目線でアウトプットを続けている・・・
「やまもとりゅうけんさん」の場合は、ズバッとキレのいい発信をするけど奥さんのお尻に敷かれているとか・・・
りゅうけんさんは設定感の勘所がうまいなーと思います。
僕もりゅうけんさんには、2回ぐらいしか会ったことがないから情報としては少ないんですど、りゅうけんさんって、実際お会いすると、あの動画でのバーっと話すイメージよりは、どっちかと言えば「聞くタイプ」なんですよね(間違っていたらごめんなさい)。
りゅうけんさんのTwitterって、ちょっと上からな感じあるじゃないですか。
あの印象とかはまったくないんですよね。
話をまた戻しますね。
すでに自分にあるものの中から何を出していこうかなって考えると、キャラ設定みたいなことができるかなと思います。
僕自身、昔はこう見られたいみたいな願望があって、いろいろと考えていました。
でも今は本当に何も考えずに普通にやっています。
キャラ設定やイメージ戦略、ブランディングにこだわりたいと思っている人にオススメの本があります。
『魅きよせるブランドをつくる7つの条件 一瞬で魅了する方法』
この本では、人に自分のことを魅力的に思ってもらおうとするには「7つのトリガー」があると書かれてるんですね。
その7つのトリガーというのが
「欲望」
「神秘性」
「警告」
「威信」
「権力」
「悪徳」
「信頼」
これです。
この本ついて詳しく解説するとなると、3万文字以上必要になるので、今日はお伝えできませんが、深くキャラ設定について考えてみたいという人がいたら、ぜひこの本を読んでみてくださいね。
ただ、色々と言いましたが僕の結論としては、普通にしているのがもう一番ラクですね。
なので僕は、家でも会社でも、お客さんの前でも友達の前でも、こんな感じです。
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