世間では、口下手だったり、弱気だったり、内向型の人は、人生で損しているかのようにも思われていたりします。本当のところはどうなのでしょうか。
「弱み」と「強み」は表裏一体の関係性です。
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口下手で弱気に見られる内向型の人の「大きな可能性」
おしゃべりで口の上手い人のほうが、口下手の人よりトクなのでしょうか?
強気な人は弱気な人を押しまくるので、つねに有利な立場なのでしょうか?
外交型の人は、内向型の人より陽気でチャンスを得やすいのでしょうか?
いろいろ想像してみると、他人と関わる場面では、口が達者で、強気で、外交型の人の方が派手で目立つことだけは確かです。でも、ただそれだけのこと。
コミュニケーションの方法は、会話だけとは限りません
ことば巧みにスビーチができたり、雑談がうまいと、外交的には「デキる人間」に見えるかもしれませんが、世の中で成功している人を見ると、必ずしもそういう人たちばかりとはいえません。
実は社会的に成功していると認められている人たちのなかにも口下手で弱気で内向型の人は大勢いるんですね。
口下手で、弱気で内向型の人は「弱み」だらけだと、世間から誤解されがちなだけです。
むしろ口が達者で強気で外交型の人よりも、内向型であることのほうがはるかに大きな魅力となって「強み」を発揮できている人も多いんです。「弱み」は「強み」にもなるといった反転性がある概念にすぎないんだということを認識しておきましょう。
「内向型」にある強力な魅力
口下手・弱気・内向型の人は、センシティブ(繊細で、感じやすい)な人だともいえます。神経が研ぎ澄まされていて観察力に優れ、リスクに慎重に対処するために事故に遭う確率が低く、投資で大損しない冷静沈着さを兼ね備えている。
こうみると、内向型というのは立派な「強み」ともいえます。
世界的に著名な「内向型」の成功者
口下手のために弱気に見えてしまう「内向型」の人には、世界的に著名な成功者が多数います。
- 相対性理論のアルベルト・アインシュタイン
- 発明王トーマス・エンジン
- 万有引力の法則を見出したアイザック・ニュートン
- 種の起源で進化のプロセスを明らかにしたチャールズ・ダーウィン
- マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ
- 映画監督スティーブン・スピルバーグや、ジョージ・ルーカス
- 世界一の投資家ウォーレン・バフェット
- 元アメリカ大統領エイブラハム・リンカーン
- 非暴力主義を貫いたマハトマ・ガンジー
このように口下手で弱気に見られても、内面には頑な信念があり、自分の世界を極め、目的を達成するというパワーは、並々ならぬものがあります。
「内向型」と「外交型」の長所と短所
「内向型」と「外交型」の長所と短所を見比べてみましょう。まずは「内向型」の人の長所からです。
内向型の人の長所
- 思慮深く、穏やかな態度
- 洞察力、観察眼に優れている
- 粘り強く、ブレない信念がある
- 繊細で控えめ、他人への思いやりがある
- お世辞や追従をいわないので、信頼される
- 静かな態度なので、誠実に見られる
言葉数が少ないことでかえって嘘のない人、という個性も際立ちます。
内向型の人の短所
- 挨拶が苦手なので、相手にとっつきにくい印象を与える
- 雑談がうまくないので、会話が続かなくなる
- 無表情なので愛想がない人と思われがち
- 人前で喋るのが不得意なので愛想がない人と思われがち
- 緊張するとすぐ固まるため、柔軟に動けなくなる
- 相手の反応に敏感で、取り越し苦労が多い
- 積極的に発言しないので、会議で目立たない
- いるのか・いないのかわからず、存在感が薄い
このように見てみると、人との「交わり」のなかでは目立たないというだけのこと。それほどの欠点でもなければ、弱点とも思えないくらいものです。
では次に、「外交型」の人の長所と短所を見てみましょう。
外交型の人の長所
- 積極的で行動的なタイプに見える
- リーダーシップがある
- 言葉巧みなスピーチができる
- 愛想よくて、誰とでも雑談ができる
- 集団のなかでもハッキリ意見や主張を述べることができる
- お世辞やゴマスリも巧みに言える
一見すると「外交型」の人は、立ち回りがうまい人と言えます。その場その場で、臨機応変に変わり身の早さで勝負できます。極度に「外交的」の人は、縦横無尽に活躍出来そうな理想の人のようにも思えますが、長所にはまた短所もあるものです。
外交型の人の短所
- 強引に物事を進めるタイプに見える
- 感情の起伏が激しいところがある
- 短慮に走り、計画的でないため失敗しがち
- 打算的な行動が目立つ
- ハッタリだけで世渡りするような軽薄な一面がある
- 他人の心情への配慮を欠く、鈍感なところがある
- 目立ちたがりで、鬱陶しい
- 自己主張が強く、やかましい印象
外交型の人は、、当意即妙といえる場面もありますが、その場しのぎの思いつきを口にすることも多く、うっかり不適切発言で墓穴を掘ってしまいます。総じて「内向型」の人と比べ慎重さに欠けるからです。
こうしてみてみると「外交型」の人は、非常にリスクが大きいともいえます。
口下手の人が「口下手のまま」でもいい理由
口下手な人が、下手に外交型の人を真似るとドツボにはまってしまいますので注意しましょう。それよりも、「口下手のまま」でいいです。
「内向型」の人は真面目で思慮深い性格です。なので会話のキャッチポールがはじまったとしても慎重に言葉を選んで発したい、そういうタイプの人が多いです。相手を不快にしたくないからこそ、いいかげんなことはいいたくない、と頭の中であれこれと考えてしまうんですね。
外交型の人のようにスムーズに言葉を返せるのは、反射的、無意識的に反応しているからです。言い換えれば、考えずに本能で応じています。したがって、質問の意味を取り違えて答えたり、無神経な言葉で返し地雷を踏んだりすることもあります。
このように、口下手・内向型の人は無理して「外交型」を真似る必要なんてないわけです。
ゆっくり喋れば相手もペースを合わせざるを得ない?
たとえ相手が早口であっても、単刀直入に言って「のんびり、ゆっくりのペースで応じればいい」です。そうすれば、相手も会話を続けたい場合には、ゆっくり話すようになるからです。あなたがゆっくり喋れば相手もそのペースに乗せられるんです。
これは「ペーシング」と呼ばれ、人は自分のペースを相手のペースに無意識に合わせる習性があります。ペーシングは脳内のミラーニューロンという神経細胞によるはたらきです。他人の行動を鏡のようになぞれる。霊長類ならではの「無意識の作用」として生じます。口下手で内向型の人は、これを「意識的」に利用して、相手が無意識にこちらにペーシングしてしまうよう仕向ければいいんです。
かつてテレビで有名になった戦場カメラマンの渡部陽一さんなどが典型的ですね。わざとゆっくり、ことばを区切って、噛んで含めるように話すと、相手もつい、ゆっくりしたペースで話すようになるからです。
口下手・内向型の人も「存在感」は重要!
口下手で弱気に見られる内向型の人は「存在感が希薄」と思われがちでもあります。控えめで口数も少なく、行動も目立たないので、こうした味方をされがちです。
ただし、いるのか・いないのかわからない、というところまで存在感が希薄になった人は、もう少し自分の存在感を出しておくようがいいです。大なり小なり、チャンスにめぐり合えるかというのはこの存在感に深くかかわってくるためです。
存在感がないというのは、承認されてないのとほぼ同じです。というわけで、存在感をアップさせることも意識しておきましょう。
笑顔の「挨拶」で存在感アップ
人に安心感を与える顔の表情は「笑顔」です。笑顔は、人に安心を与える「絶対ツール」だということを覚えておきましょう。口角を少し上げて「おはようございます」と声を発することで、笑顔の表情に近づけます。
挨拶は慣れれば自然にできるようになります。ちなみに相手が返してくれようが、くれまいが儀式的に行動習慣に取り入れていくことがポイントです。
行動するときに「声を出して」存在感アップ
名前を呼んでも返事がないので、ふと席を見てみたらいつの間にかいなくなっていた…。これは内向型の人に見られる特徴のひとつです。この原因というのが声を出さないことによります。
そこで、出かけるときには大きな声で「○○へ打ち合わせに行ってきます」などと必ず告げるようにします。もし、みんなに向かって声をかけるのに抵抗を感じるなら「○○課長、打ち合わせに○○に行ってきます」などと、誰かに呼び掛けるようにするのでもいいです。
「口下手・弱気・内向型」が「営業」に強いワケ
「営業職」=「社交上手」というのは勘違いです。お客さんの前で、ペラペラと口がまわるのが営業マンというイメージはありませんか?実は、こんな営業マンは成績があがらないんですね。これは、お客さんのニーズ(要望)が引き出せないためです。
ペラペラと営業マンが喋っている間は、お客さんの話が聞けていない時間です。いくら口が達者だとしても、お客さんが望んでもいない商品をセールスしても売れるわけありません。
口下手で弱気に見える内向型の人の「聞く力」のすごさ
口下手で弱気に見える内向型の営業マンは、お客さんの観察するのに長けていますから、的確な質問をして、お客さんにどんどんしゃべらせます。聞き上手なので、お客さんを気分よく乗せていくことも、めきめき上達するんです。
口下手や弱気、内向型の部分をあえて隠さず、長所を活かす方法で営業の極意をつかみ成功する秘訣です。
聞く力をさらにアップさせるのに「あいづち」も重要なテクニックです。「会話 話題 あいづち上手に学ぶ 口下手が今日から変わる14のこと」もチェックしておきましょう。
まとめ
もしあなたが内向型で、外交型の人と比べてコンプレックスを感じていたとしたら、認識を変えて、そのままでもいいというスタンスでいくことです。「内向型」の人は思慮深く、冷静で観察力に優れている、などの長所もたくさんあります。ちょっとだけ人付き合いに苦手な面はみられますが、それを上回るほどの長所や魅力があることを改めて振り返ってみてください。