こんにちは、阿部悠人です。
今日は暗号通貨のシステムを作動させる上で欠かせないのが「コンセンサスアルゴリズム」の話をします。暗号通貨をSNS等で調べたことがある方は「PoW」や「PoS」といった単語を目にして、何のことだろうと思った事はございませんか?それらについて詳しく話していきます。
コンセンサスアルゴリズムとは?
ビットコインなど多くの暗号通貨は、特定の管理者がいないので、参加者みなで決定していくことが求められます。その部分を担うのがコンセンサスアルゴリズムです。
コンセンサスアルゴリズムという長い単語ですが、コンセンサス(合意)とアルゴリズム(方法)という2つの単語に分けられます。日本語に訳すとすれば「合意方法」となり、「みんなで決めていくやり方」のことです。
コンセンサスアルゴリズムの種類は暗号通貨によって異なる場合があり、これが通貨としての方向性を少なからず決めています。どのコンセンサスアルゴリズムが優秀で、どれを採用した通貨がよいのかは一概にいえません。
ビットコインのコンセンサスアルゴリズム「プルーフ・オブ・ワーク」を超えるものを作ろうと、各暗号通貨が努力しているところです。コンセンサスアルゴリズムとは上述の通り、合意方法のことですが、何を合意しなければならないのかというとそれは主に、「送金や契約の内容」です。
分散型(P2P)ネットワークにはさまざまな参加者がいるため、不正な契約や送金をはたらく人が現れる可能性があります。もし簡単に不正がまかり通るとすれば、その暗号通貨は破綻しているといえます。どのように不正を防いでいくのかは暗号通貨の大きな課題の1つです。
そこで必要となるのが、コンセンサスアルゴリズムです。「どの取引が正しく、その取引が不正なのか」をチェックする仕組みを決めています。もちろん、この判断を手動で行うわけにはいかないので、コンピュータの計算などにより不正を弾くシステムを実装しようというものです。
ビットコインのコンセンサスアルゴリズムは「プルーフ・オブ・ワーク(Proof of Work:PoW)」と呼ばれるものです。要するに、ビットコインの場合、プルーフ・オブ・ワークにより不正な取引を監視しているということです。
どのような方法で不正を防いでいるのかというと、それは、「計算を多く行って、問題(特定のハッシュを探す)を解いた人が承認する」という方法です(承認=発言権)。ビットコインにおいて計算を行うのはマイニングをする人(マイナー)なので、マイナーは不正を防ぐ重要な役割をしているということです。
たとえば、悪意を持った参加者が、支払いなどの取引を改ざんしようとするとどうなるでしょうか?ブロックチェーンは、これまでの取引すべてが1つの取引台帳になったものです。また、取引を改ざんすることは、ブロックを改ざんすることと同じ意味です。
しかし、ブロックには正常な取引履歴がマイニングによって高速で書き込まれ続けています。「計算を多く行って、問題を解いた人が承認する」というプルーフ・オブ・ワークの性質上、これを上回る速度で不正な計算をしなければ、改ざんすることはできないのです。
実際、これはほとんど不可能であることから、ビットコインはセキュリティを保ち続けることが可能な仕組みです。そして、マイナーはボランティアではなく、報酬を受け取ることでwin-winの関係が構築されています。
ただし、プルーフ・オブ・ワークは多くの電力を消費するため、コストがかかるというデメリットがあります。また、悪意を持ったマイナーが過半数を占めると、システムの一部を乗っ取られるというリスクが高いデメリットもあります。
プルーフ・オブ・ステークとは?
「プルーフ・オブ・ステーク(Proof of Stake:PoS)」もコンセンサスアルゴリズムの1つです。ビットコイン以外の多くのアルトコインでも採用されています。
上述のプルーフ・オブ・ワークが「計算を多く行った人が取引を承認する」のに対し、プルーフ・オブ・ステークは「多く暗号通貨を持っている人が承認する」のが特徴です。これにより、プルーフ・オブ・ワークのデメリットを解消している部分もあります。
まず、多くの計算を行わなくて済むため電力のコストが低いです。莫大な電力を必要とし続けるプルーフ・オブ・ワークは長期的にどうなのか、という疑問の声もありますが、プルーフ・オブ・ステークはその壁を1つクリアしています。
また、悪意を持ったマイナーが過半数を占めると、システムの一部を乗っ取られるということが起こりにくい特徴もあります。プルーフ・オブ・ワークの場合、特定個人やグループのマイニング計算が過半数を超えると、その恐れがあります。
しかし、プルーフ・オブ・ステークの場合には「過半数の通貨を所有」する必要があり、これはマイニングと比較して実現可能性が圧倒的に低いのです。ただし、万が一起きた場合、プルーフ・オブ・ワークのときより被害が大きくなる側面もあります。
まとめ
コンセンサスアルゴリズムの2強ともいえるのは、「プルーフ・オブ・ワーク」と、その弱点克服を目指した「プルーフ・オブ・ステーク」の2つです。ほとんどの暗号通貨は、このうちのどちらか、もしくは両方を組み合わせて運用されています。
もちろんこの他のコンセンサスアルゴリズムも存在し、たとえば暗号通貨「ネム」では「Proof of Importance(プルーフ・オブ・インポータンス)」という独自のアルゴリズムを使用しています。暗号通貨への投資を行う際には、コンセンサスアルゴリズムを考慮した分析もできるようになるとよいでしょう。そのためにも、覚えておいて損はありません。

あべゆうと
1992年生まれ、青森県弘前市出身。
大学3年生の就職活動真っ只中、たまたま手に取った1冊の書籍をきっかけにアフリカでの「中古車輸出ビジネス」で起業。資金面・ノウハウ面で躓き、1台も仕入れることなく断念。その後、インターネットを活用した物販ビジネスに目を付け軌道にのる。
その手法を元に、物販ビジネスの学校を立ち上げたところ全国から受講生が集まり、それを機に教育事業をスタートさせる。2016年6月には自身初の書籍を出版し、累計1万部突破。2017年には「物販」、「WEB集客」、「暗号通貨投資」と3冊出版。
現在は、「新しい働き方」を提供することをテーマに、日本全国の起業家に「物販」・「アフィリエイト」といったビジネスや、資産運用の手法の1つとして、「暗号(仮想)通貨投資」をコミュニティにて指導に力を入れている。公式メールマガジンは2万人、LINE@7000人の方が購読中。