「あいつ、マジで不義理だわ!」という事ってビジネスに限らず、いろんな所で起こると思います。
私は義理・人情を重んじるタイプなので、そう感じることも、これまでは多々有りました。
普通の感覚でいうと「不義理」なんて、あっちゃいけないことじゃないですか。
でも、意外と多かったりしませんか?
では、なぜ多いかっていうと、そこには明確な理由があるんです。
そして、その理由が分かれば「不義理」に対して、冷静な考え方ができます。
そのヒントは「返報性の法則」です。
心理学やマーケティングを勉強している人ならば、必ず聞いたことがある言葉ですよね。
Wikipediaで見ると、
「人は他人から何らかの施しを受けた場合に、お返しをしなければならないという感情を抱くが、こうした心理をいう。」
と書いております。
これ、知らなかった人はGoogleで調べてみてください。
活用できる事例がたくさん出てきます。
身近な例でいくと「試食」です。
なんか食べちゃったら買わないと悪いかな〜と思って買っちゃうってやつ。
あれです。
それで、「不義理」というのは距離の近い人間の間で、「返報性の法則」を見事なまでに破られることによって感じられるんです。
「こんなに色々やってあげたのに、一体何なんだよ!!!」
というのが「不義理」と感じる正体です。
実は、この「返報性の法則」に関する、もう少し深掘りした研究があります。
この研究の結果を知ると、「不義理」が割と多く起こる理由と、その対処法が分かるんです。
その研究とは、好意を与えた側と受けた側のそれぞれが、時間とともにその価値をどう感じるかを測るというもの。
「返報性の法則」に基づくと、人は好意を受けたら返さなきゃと感じます。
そして、人というものは好意を与えたら、何らかの形でそれに報いて欲しいと、心のどこかで感じるわけです。
「あさましい」と感じるかもしれませんが、人の性質なので仕方ないです。
この両者のズレが「不義理」という、感情を抱かせるわけじゃないですか。
なので、この研究の結果を知ると、物凄くすっきりしますよ。
まず、好意を与えた側です。
こちらは、好意を与えた直後は、実はそんなでもありません。
しかし、時間の経過とともに、その価値を大きく見積もる傾向にあることが分かりました。
そして、好意を受けた側です。
こちらは、好意を受けた直後は、物凄くありがたみを持ち、大きな価値を感じてくれます。
しかし、時間の経過と共に、その価値の見積もりは急激に小さくなるという傾向が見られました。
してあげた方はいつまでも忘れず、してもらった方は、サクッと忘れるってことです。
これは、人間の性質ですから、どうしようも無いわけなんですよ。
そしたら、「不義理」みたいなことが割と起こるのも分かりますよね。
ですから、これらをまとめると、対処法というのが見えます。
実際に私がとるように、心がけているスタンスです。
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やってあげた事は軽く忘れる。
やってもらった事は末代まで忘れない。
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これです。
このスタンスです。
もちろん、人間の性質に反しているので、簡単ではない部分はあると思います。
また、価値の減衰ってのも、人によって程度が異なりますからね。
ですが、上記のスタンスを取ると、びっくりするくらい心が平穏です。
まあ、もともとナチュラルに100%の慈悲で施しができる聖人のような人も世にはいるでしょう。
ですが、自分は聖人とは180度も違った性質を持っているわけです。
なので、研究の結果と、そこから導き出されたスタンスです。
これを心がけて生きています。
他人の振る舞いが気になって、自分の心を乱しやすいような人には特にオススメですよね、これは。